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97 :代打名無し@実況は実況板で :2006/05/13(土) 01:06:46 ID:fJLKX4ZG0
一雄は、ある日小高い丘を歩いていた。
頂上にあった大きな木の横を通り過ぎようとするとき、
一雄は木の根につまづき、その大きな木の幹に頭を嫌というほどぶつけてしまった。
すると、みるみるうちにその木のうろから煙が湧き出て、
その煙の中からひとりの老人が現れた。
「わしを呼んだのは誰じゃ」
「べつに呼んでないよ。おじいさんは誰だい」
「わしは野球の神様じゃ」
「野球の神様なの!? 僕野球が大好きなんだ。」
「ほう、おまえは野球が好きなのか」
「うん、こないだのパレードにも行ったんだ。ジョーにサインもらったんだぜ。
かっこよかったなあ、みんな。」
「この日本でも野球が行われているが、見たことがあるかね?」
「もちろんあるさ、いつも後楽園に行くんだ。小さい頃からお父さんに連れてってもらってたからね」
「そうか。日本の野球はこれからどうなると思うかね?」
「これからどんどん強くなるさ。今はアメリカのほうが強いかもしれないけど、
いつか日本がどんどん強くなって、アメリカもやっつけて、日本が世界で一番強くなるんだ。
それを見るのが僕の夢なんだ」
「日本が世界で一番強くなるのを見たいのか」
「うん!すごく見たいよ」
「そうか。ではその願いを叶えてやる」
「ほんと!」
「わしは野球の神様じゃ、嘘はつかん。ただ、それには三つだけ条件がある」 98 :代打名無し@実況は実況板で :2006/05/13(土) 01:07:26 ID:fJLKX4ZG0
「何でも聞くよ!その条件って?」
「一つは、この帽子をかぶることじゃ」
「帽子?」
「この帽子を、一生かぶり続けるのだ。絶対に脱いではいかん」
「お安い御用さ」
「二つめは、変なあだ名じゃ」
「変なあだ名って何?」
「何かは教えられんが、おまえには変なあだ名がつく。それを嫌がってはいかん。
一生その名前で呼ばれるのじゃ」
「・・・それもまあいいや。三つめは?」
「三つめはな、おまえがそのときわしの隣にいることじゃ。
日本を世界一にするには、お前の野球を愛する強い思いが必要なのじゃ」
「それだけ守れば、日本は世界一になれるんだろ!? うん、僕その三つを守るよ!」
「きっと守るんじゃぞ。そうさなあ・・・50年もすれば、その願いは叶うであろう」
「ずいぶん先だな・・・でも、頑張るよ!」
「そうか。では、50年後を楽しみにしておるぞ・・・」
老人はそれだけ言うと消えてしまった。
少年は、その後一生帽子をかぶり続け、
少し妙なあだ名をつけられたが、一生ニコニコしてその名で呼ばれ続けた。
そして、ちょうど50年後。
パンチョ伊東はペトコ・パークのはるか上空から、
50年前と同じ目の輝きで「その瞬間」を見た。
野球の神様の隣で。
本当のような、嘘のような、でも本当かもしれない話。
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