
771 :
祐希[]2006/01/09(月) 01:45:45 O
よければ体験書かせてください 私が高校生のときのことです
私は高校にバスで通っていました
入学当初はあんまり友達ができず毎朝一人で通学していました
ある朝,一番奥の席の一番左側の席に小柄なお婆さんが座っていました
お婆さんの顔はくしゃくしゃで小さな目は皮膚に隠れ,
髪の毛もすっかり減っていました
その横に親子が座っていました
幼稚園くらいの男の子がふいに
『このおばあちゃんの顔おばけみたい』と言いました
私はそのお婆さんがどんな反応をするのだろうと見ているとお婆さんは
『可愛いお子さんですねぇ』とニコニコ笑いながら言っていました
その日から毎朝そのお婆さんは同じ席に座り続けていました 772 :
祐希[]2006/01/09(月) 01:54:52 O
ある日いつものようにバスに乗るとあのお婆さんは
いつもの席に座らず,近くに立っていました
気になってお婆さんのいつもの席を見てみると中学生の女の子が
お婆さんの席に鞄を置いて座り込んでいました
お婆さんはどうしても座りたいのかジッとその場で待っていました
中学生の女の子は気味悪がったのか,
『何見てんだよ…どっかいけよ』とかブツブツいい始めました
私は何だかほっておけなくてその女の子に近付くと
『鞄どけたら?』と一言言いました
その子は少し不快そうな顔をして次のバス停でそそくさと降りて行きました お婆さんは私が奥の席に座らないのを見て
『どうぞ,私には構わずお座り下さいな』とゆっくり言いました
私は『あ…貴方のために席空けたんで』と言ってかるく微笑みました
お婆さんはすごく嬉しそうにニッコリ笑うと
『ありがとう』と言って座り,私に隣に座るように言いました
私はそのお婆さんと色々と話しました
『私はもう長く生きられないからこうやって
毎朝外の様子を見るのが大好きなんですよ』とお婆さんは言っていました 774 :
祐希[]2006/01/09(月) 09:12:16 O
私はお婆さんと毎朝話すようになりました
友達ができないこと,家族の愚痴…
お婆さんは楽しそうに,でも真剣に私の話を聞いてくれました
お婆さんと話すようになって2週間ほどたちました
私は近所に住んでいる子と友達になりました
私にとって初めての友達でした
通学も2人で行くことになり,バスに2人で乗りました
すると友達が言いました
『ねぇ,あの奥の方に座ってるババアの顔やばくない?』
私は何と言っていいのか分からなくなりました
『…え?マジ?』
一応そう答えましたが頭はガンガンしていました
『もうちょっと近付いてみようって!!』
友達はそういうとお婆さんにどんどん近付いて行きました
私も一人になるのが嫌でついていきました
『……祐希ちゃん…お友達,できたのねぇ…』
お婆さんは私ににっこりとそう言いました
『…祐希,知り合いなわけ?…てか祐希ちゃんとかウケるし…(笑)』
友達は小さい声でそう言いました
『…あたし知らないよ 誰かと見間違えてんじゃない?』
私は声を絞り出すように言いました
『そーだよね?あぁビビった!!!
ちょっとお婆さん,人違いなんですけど?』 775 :
祐希[]2006/01/09(月) 09:22:42 O
友達はずけずけとそう言いました
お婆さんは
『すみませんね…年をとると,目が悪くなってしまって』
と言いました
そのとき私は初めてお婆さんの悲しそうな顔を見ました
翌朝からお婆さんはバスに現れなくなりました
私は毎朝毎朝お婆さんの席をチラチラ見ながら,あの日のことを後悔していました
お婆さんを見なくなり1週間後,お婆さんの座っていた席に綺麗な女の人が座っていました
私は何かに引かれるようにその人に近付いて行きました
私を見るとその女の人は『祐希さんですか?』と言いました
『…はい』
私が答えた直後に女の人は私に封筒を渡しました
『ここに座っていた私の祖母,美奈江からです』
私は渡された封筒を開けました
内容はこんな感じでした 776 :
祐希[]2006/01/09(月) 09:39:24 O
『祐希ちゃんへ
突然のお手紙ごめんなさいね。最近バスに乗れなくなってしまいました。
実は祐希ちゃんに会った最後の日にお医者さんに行ったら私,癌だった。
それでもう助からないらしいです。
でも祐希ちゃんにとっては私がいないほうが良かったかもしれません。
こんな汚い顔したお婆さんと仲良しなんてお友達受け入れてくれないでしょう?
それに祐希ちゃんは優しいから私に喋ってくれると思います。だから私はあえて
自 分 が 死 ぬ ま で
入院してることを祐希ちゃんに告げないように孫に頼みました。
祐希ちゃん後悔はしないでくださいね。
私は何も怒っていないし祐希ちゃんに友達ができて本当に嬉しいです。
それではお友達と仲良くしてね』
私は便箋をくしゃっと握りしめ,胸に押し付けて泣きました
涙は止まりませんでした 長文すみません
文めちゃくちゃですが読んでくださってありがとうございました
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http://janba.blog58.fc2.com/blog-entry-6215.htmlバスの奥に座るお婆さん
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